米市場でディーゼル車復権なるか、メーカー各社が新車種投入


騒音や悪臭がひどく信頼性も低いとして、米市場でディーゼル車が敬遠されるようになって20年。

ドイツと日本の自動車メーカー各社が、クリーンディーゼル技術で新世代ドライバーの獲得に意気込みをみせています。


■日本・ドイツ勢、相次ぎ新車種投入

 ホンダ(Honda Motor)は先ごろ、高級車ブランド「アキュラ」に08年からクリーンディーゼル・エンジンを搭載する計画を発表。

トヨタ自動車(Toyota Motor)も13日、トラック「タンドラ」とSUV車「セコイア」のクリーンディーゼル・エンジン・タイプを米市場に「近い将来」導入することを明らかにしています。

ドイツ勢では、ダイムラー(Daimler)がメルセデス・ブランドのディーゼルエンジン・タイプの売れ行き好調を発表しており、年内にもディーゼルエンジン搭載の新型SUV車を3モデル、米市場に投入するとしています。

BMWとフォルクスワーゲン(Volkswagen)も今秋、ディーゼル車を発表予定です。


■米メーカーは同調せず

だが「高性能・高燃費」なディーゼル車で消費者獲得を試みる国外メーカーの動きに、米国のメーカーが同調する様子はありません。

たとえばフォード・モーター(Ford Motor)は2010年、ピックアップトラック「F−150」にディーゼルエンジン・タイプを導入しますが、小型車にクリーンディーゼル・エンジンを搭載する計画はありません。

代わりにフォードでは、より求めやすい価格で20%の燃費向上を実現する「エコブースト・システム」搭載車を、年間50万台生産する予定です。

ディーゼル・エンジンはガソリン・エンジンに比べて30−35%程度燃費がいいとされています。

しかし、前年新たに排出量規制法が施行されたため、これに準じたディーゼル・エンジンを開発するには、1台当たりのコストが2000−3000ドル(約21−32万円)余計にかかります。

もちろんこれは、ハイブリッド車の追加コストよりは安くなっています。

ハイブリッド車は3000−5000(約32−54万円)の追加コストがかかりますが、米国の交通状況を考えると、この追加コストに見合うだけの省燃費を実現できすることが出来ません。

とはいえ米国では、欧州のようにガソリン税の高さがディーゼル・エンジンの人気を高めるということもありません。

米国市場にディーゼル車がデビューしたのは1980年代初頭ですが、トラックを除くとその売れ行きは惨憺(さんたん)たるものでした。

米国の自動車メーカーは、第2次石油危機でアジア勢の小型車に市場を席巻(せっけん)されたことから、ディーゼル車の導入に躍起になりました。

しかし、設計力不足から、それらのディーゼル車は3万マイル(約4万8000キロ)程度でエンジンが壊れてしまったのです。


■米国の市場占有率はわずか3.5%

現在、米国市場の自動車売上にディーゼル車が占める割合はわずか3.5%にすぎません。

欧州市場の約60%とは大きな隔たりがあります。

米市場におけるディーゼル車のシェア拡大を阻む最大の要因について、米民間調査会社グローバル・インサイト(Global Insight)のアナリスト、John Wolkonowicz氏は、排出量規制法がさらに厳しくなるとの懸念が業界内に広がっている事実を指摘しています。



日本の自動車メーカーが、クリーンディーゼルエンジン技術で先行したフォルクスワーゲン等の欧州メーカーを追撃する一方、欧州メーカーは、次世代燃料技術でリードする日本のメーカーを追撃しています。

米国ビッグスリーは、ハイブリッド技術でトヨタを始めとする日本のメーカーに大きく引き離されてから、追撃に躍起になっている状態です。

ここ数年のクリーンディーゼルエンジンの開発競争を見ていると、次世代燃料技術がポピュラーになるまでの間、クリーンディーゼルエンジンが一定の市場を築くのはほぼ確実です。

クリーンディーゼルエンジン技術でも日欧の自動車メーカーに遅れをとると、米ビッグスリーは更に苦しくなりそうです。


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